
今回は第5回で5:00〜6:20くらいまでの文章を扱っています!
- 0:00 〜 1:00
- 1:00 〜 2:00
- 2:00 〜 3:30
- 3:30 〜 5:00
- 5:00 〜 6:20
- 6:20 〜 8:00
- 8:00 〜 9:30
参考 South Parkとは??という方は、こちらのページをご覧ください。
英語レベル:中学卒業〜高校程度
基本的な文法が押さえられていれば問題ありません。
今回の文章には品のない内容が一部含まれています。
カジュアルな英語表現を身につけるという目的のために、そうした内容も他の話題と区別することなく解説を行いますが、ご気分が優れない方もいらっしゃるかと思いますので、その場合はここで引き返すことをおすすめします。
参考 視聴の上での注意はこちらの記事で説明してあります。
今回のスクリプトは South Park Archives からの引用であり、本記事の関連するすべての内容は クリエイティブ・コモンズ 表示 – 継承 3.0 国際 ライセンスの下に提供されています。
また、South Park に関する画像は Comedy Central に著作権があり、関連するロゴやタイトル、キャラクターはすべて Comedy Partners の商標となっています。
South Park Season 1 Episode 1:前回までの振り返り
アイクが宇宙人にさらわれてしまったものの、クラブツリーさんがバスを止めてくれる様子はなく、少年たちはどうすることもできません。

あのメス豚が何もさせてくれないから何もできないよ。
少年たちが学校へ向かうのと同じ時間、とある牧場で警察官バーブラディが怪奇現象に関する聞き込みを行ないます。

私の牛が殺されてしまったんだ。UFOを見たって話も聞くぞ。
しかし、バーブラディは怪奇現象を否定します。

何も変なことなどありませんよ。急脱走した牛は私が連れて戻りましょう。
どうやら宇宙人は少年たちだけでなく、街の人にも影響を与えているようです。
今回は、話が少年たちに戻って学校の生活が描かれます。

今回も新キャラクターが登場します!
今回のスクリプト
聞き取れなかった方はまず文面で理解し、その後スクリプトを見ながら徐々に耳を慣らしていきましょう(今回は少しボリューム多めです)!
スクリプトはこちらです(一部修正)。
- ギャリソン:And now children, our friend, Mr. Hat, is going to tell us about Christopher Columbus.
ハット:That’s right, Mr. Garrison. Christopher Columbus discovered America and was the Indians’ best friend. - ハット:He helped the Indians win their war against Fredrick Douglass and, and freed the Hebrews from Napoleon and discovered France. And then in 1492 Columbus started a restaurant…
- カイル:Oh, man. I can’t just sit here, I have to help my stupid brother, or I’ll come home without him and my dad will start yelling, “Where’s your brother, Kyle?” “You weren’t looking out for your little brother, Kyle?”
- スタン:Okay, okay, let’s ditch school and go find him.
カイル:”You know he can’t think on his own, Kyle!” “Brush and floss, Kyle!” “Where has that finger been, Kyle?”
スタン:Dude! - ギャリソン:Is there a problem, boys?
カイル:Yes, Mr. Garrison, I have to go now. - ギャリソン:Oh, really, Kyle? What is it this time? Another prostate tumor?
カイル:No, my little brother’s been abducted by aliens. It’s true! Ask Cartman, they gave him an anal probe. - カートマン:Heh, heh, that’s a, that’s, that’s a little joke. Heh, heh.
- カイル:Mr. Garrison, seriously, I have to go. Can I please be excused from class?
ギャリソン:I don’t know, Kyle. Did you ask Mr. Hat?
カイル:I don’t want to ask Mr. Hat, I’m asking you! - ギャリソン:Oh I think you should ask Mr. Hat.
カイル:Mr. Hat, may I please be excused from class?
ハット:Well, Kyle, no!! You hear me?! You go to hell! You go to hell and you die! - ギャリソン:Hmm, guess you’ll have to take your seat, Kyle.
カイル:Damn it!
カートマン:Hah, hah. Mr. Hat yelled at you.
構文解析と意味の取り方

構文解析などという高尚なものではありませんが、1つずつ丁寧に文を見ていきます。
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And now children, our friend, Mr. Hat, is going to tell us about Christopher Columbus.

That’s right, Mr. Garrison. Christopher Columbus discovered America and was the Indians’ best friend.
新キャラが早速2人登場です。スタンたちが通うサウスパーク小学校のギャリソン先生とそのパートナーハットくんです。
比較的セリフが早いサウスパークですが、新しいことを教える学校では当然ゆっくりとした口調になるため、ここは聞き取りやすい方だと思います。
- Indian:アメリカ先住民
綴りの通り「インド人」を表すこともありますが、文脈によっては「アメリカ先住民」のことを指します。

内容も難しくないので、聞き取りながら理解できたという人もいるのではないでしょうか。
- ギャリソン:And now children, our friend, Mr. Hat, is going to tell us about Christopher Columbus.
- ハット:That’s right, Mr. Garrison.
- Christopher Columbus discovered America and was the Indians’ best friend.
「And now」は「それじゃあ」という感じです。
「, Mr. Hat,」は「our friend」と同格の関係です。前後にカンマがあり、挿入されている形になっています。

ハットくんはギャリソン先生のパペット人形で、ギャリソン先生のパートナーとして授業を助ける副担任のような位置付けです。
「That’s right」は相手への同意を表す表現で「その通り」と訳されることが多いです。
ハットくんが話すときはギャリソン先生が腹話術のようにしていますね。

非常にシュールですが、退屈な授業を延々続けられるよりは楽しそう…?。
「discover」は「〜を発見する」という意味ですが、ただ見つけるのではなく未知のものを初めて発見するというニュアンスが強いです。
ただ、アメリカ先住民の存在からもわかるように、実際はコロンブスがアメリカを発見したのではなく、それまで知られていなかった先住民と遭遇しただけという見方が一般的です。
また、「the Indians’ best friend」も先住民迫害の歴史を見ればかなり怪しいです。

ここでは歴史をきちんと教えているわけではなくて、適当なことをべらべら喋っているだけですね。
ギャリソン:それじゃあ子供たち、僕たちのお友達ハットくんがクリストファー・コロンブスについて話してくれるよ。
ハットくん:そうだね、ギャリソン先生。クリストファー・コロンブスはアメリカを発見して、先住民の大親友だったんだ。
2ブロック目

He helped the Indians win their war against Fredrick Douglass and a freed the Hebrews from Napoleon and discovered France. And then in 1492 Columbus started a restaurant…
「And then」以降は次のカイルのセリフとかぶっているため、聞き取れなくても構わないでしょう。
- free:〜を解放する
- Hebrew:ヘブライ人
「自由な」という意味で知られる形容詞の「free」には、「〜を自由にする」という動詞の使い方があります。

During the war, she freed the slaves.
- 戦争の最中、彼女は奴隷たちを解放した。
綴り・発音ともに注意しましょう。
ヘブライ人・ユダヤ人はどちらも同じ民族を指す言葉ですが、ユダヤ人(Jewish)はユダヤ教徒という宗教的なニュアンスを含むのに対し、ヘブライ人(Hebrew)は民族そのものを指し宗教的なニュアンスがないと考える人もいるようです。
参考 Difference Between “Difference Between Jewish and Hebrew”
現在ではもっぱら「ユダヤ人」と呼ばれることが多いため、やや歴史的な単語と言えるでしょう。
参考 ユダヤ人・ヘブライ人・イスラエル人の違いはこちらのサイトが参考になります。

引き続きハットくんがめちゃくちゃな歴史を語ります…。
- He helped the Indians win their war against Fredrick Douglass and, and freed the Hebrews from Napoleon and discovered France.
- And then in 1492 Columbus started a restaurant…
「help」の使い方に注意しましょう。「help 人 (to) V」という形で「〜が…するのを助ける」です。
helped the Indians win their war against Fredrick Douglass
フレデリック・ダグラスは、黒人奴隷解放運動に大きく貢献した19世紀のアメリカ人活動家です。
クリストファー・コロンブスは15世紀の人物なので、「フレデリック・ダグラスとの戦争で先住民側に立った」というのは完全に嘘っぱちです。
freed the Hebrews from Napoleon
「Napoleon」はあの有名なナポレオンですが、彼も18世紀の人物なのでコロンブスとは全く関係がありません。
discovered France.
「フランスを発見した」という意味ですが、これももちろん完全に嘘です。
コロンブスは1492年にインドを目指して出航しています。
出港前にレストランを始めた可能性ももしかしたらあるかもしれませんが、仮にそうだとしても歴史的に重要な情報ではないでしょう。

話の内容から歴史の授業だと考えられますが、何を伝えたいのかわからないめちゃくちゃな授業ですね。
ハット:彼は先住民と一緒にフレデリック・ダグラスと戦って、ナポレオンからヘブライ人を解放したんだ。フランスを見つけたのも彼だね。1492年にはレストランを始めて…
この「和訳しよう」シリーズでは、中学文法をある程度押さえられた方向けに説明を作成しているため、中学校で習う内容に抜けや漏れがあると少し難しいかもしれません。
できない部分がわかっている場合はその部分だけ復習すれば問題ありませんが、全体的にまとめて復習したい場合はこの本がおすすめです。
説明やイラストがわかりやすくまとまっていることに加え、必要な事項が網羅されているため、この本だけで基本的な部分はすべて復習することができます。
3ブロック目

Oh, man. I can’t just sit here, I have to help my stupid brother, or I’ll come home without him and my dad will start yelling, “Where’s your brother, Kyle?” “You weren’t looking out for your little brother, Kyle?”
1つ1つは難しくないものの、一気にたくさん喋っているためペースについていくのが難しいですね。
- oh, man:あぁ…
- or:さもないと
- yell:怒鳴る
- look out for 〜:〜の世話をする
この「man」には特に意味はありません。嫌なことがあったときや残念なことがあったときに出る「あぁ…」、「うわぁ」、「まじかよ」、「なんてこった」という感情の漏れです。
男性だけでなく女性に対しても使える表現ですが、非常にカジュアルなので女性に使う場合は特に相手を選んで使う必要があります。
参考 HINative “Do people say “man” (as a slang) even to women? Like, oh man , thanks man.”
「A or B」は「A か B か」と訳すことが多いですが、「A、そうでなければ B」という訳し方をした方が自然な場合も多くあります。
この使い方は命令文で特によく見られます。

Don’t move, or I’ll shoot you.
- 動くな、さもなければ撃つぞ。
「大きな声を出す」というのが核の意味です。悲しい時に大声を出せば「悲鳴をあげる」ことになりますし、怒りに任せて大声を出せば「怒鳴る」ことになります。
「yell at 〜」で「〜に怒鳴る」です。
「〜の世話をする」、「〜の面倒を見る」という意味を表す表現はたくさんあるため、類義語と合わせて覚えましょう。

1つ1つ文を分けて考えましょう。少し複雑ですが難しくはありません。
- カイル:Oh, man. I can’t just sit here,
- I have to help my stupid brother,
- or I’ll come home without him and my dad will start yelling,
- “Where’s your brother, Kyle?”
- “You weren’t looking out for your little brother, Kyle?”
「just」は「ただ〜」という意味なので「can’t just sit here」は
ただここに座っていることはできない
です。ただ、「sit」には「座る」以外にも「動かずにじっとしている」という意味があるため、
こんなとこでじっとしてらんない
のようにするとより自然です。
自分の注意を無視してバス停に残り続けた結果宇宙人にさらわれてしまったため、弟のことを「stupid:馬鹿な」と言っています。
「or」は「さもなければ」ですね。弟を助けられなければ「without him:弟を連れないで」帰ることになると言っています。
「and」は時系列や結果を表す「そしたら」というニュアンスです。

弟なしに帰ったら、その後お父さんに怒鳴られてしまう結果になると恐れています。
具体的にどんな内容で怒鳴ってくるかというのが次の文です。
超基本的な文ですね。もちろんセリフの主は「my dad:お父さん」です。
過去進行形です。なぜ過去進行形になっているかというと、これは先ほどの「Where’s you borhter?」を受けて弟がいなくなった瞬間の話をしているからです。
弟がどこかへ言ってしまったその瞬間、「弟のことをきちんと見ていなかった」のだろうと責めているわけですね。

「弟から目を離したんだろ?」のように訳すと雰囲気が出ますね。
語順が肯定文になっていて「Did you …」のようになっていないのは、もちろんカジュアルな場だからということもありますし、ここでは本当に質問をしているわけではないからです。
「『どうせ』お前が目を離したんだろ」といった決めつけのようなイメージです。
カイル:あぁ…、こんなとこでじっとしてらんないよ。弟を助けないと。じゃないと家に帰ったらお父さんに怒鳴られるんだ。「弟はどこに行ったんだカイル!」「ちゃんと見ていなかったんだろ、カイル!」
4ブロック目

Okay, okay, let’s ditch school and go find him.

”You know he can’t think on his own, Kyle!” “Brush and floss, Kyle!” “Where has that finger been, Kyle?”

Dude!
- ditch:〜をサボる
- go V:go to V と同じ
- on one’s own:ひとりで
- floss:デンタルフロスを使う
元々は「溝を掘る」という意味があり、これが転じてカジュアルな場面では「〜を避ける」、「〜をサボる」という意味になります。
「〜をしにいく」はご存知「go to V」ですが、アメリカ英語では to を省略することがしばしばあります。

Let’s go make buttered noodles!
- バターヌードルを作りにいくよ!
「alone:ひとりぼっちで」と「by oneself:自分の力で」のどちらの意味でも使用されます。

I made this whole code on my own.
- このコードは全部私が1人で作ったのよ。

怒られたくないカイルの嘆きがヒートアップするシーンです!
- カイル:”You know he can’t think on his own, Kyle!”
- “Brush and floss, Kyle!”
- “Where has that finger been, Kyle?”
- スタン:Dude!
「You know」は会話でよく使われる「なあ知ってるだろ」といった意味の表現です。
「he」はもちろんアイクのことです。

1人ではまだ物事をきちんと考えられないのだから目を離しちゃだめだろ、といった意味のお叱りですね。
「Bursh」は「ブラシをかける」ですが、「floss」があることを考えると「歯磨きをする」という意味でしょう。

いきなり歯磨きの話が出てきたのは、親に怒られることを恐れてパニックになってしまったからです。
スタンがサボって探しに行こうと提案してくれているのに、こんなことでも怒られるしあんなことでも怒られるし…というネガティブな妄想が膨らんで聞こえなくなっています。
現在完了形の文です。
今は怒られている妄想中であることを踏まえると、怒られるようなところに指を置いていたのだと考えるのが自然です。

指を置いて怒られる場所といえば、例えば鼻でしょうか。
ニュアンスとしては「そんなとこに指を置かないの!」「今鼻をほじっただろ!」といった感じです。
「Dude」は色んな意味がありますが、ここでは授業中にもかかわらず声をどんどん大きくしていったカイルに対して「おい!声が大きいよ!」という感じでしょう。
スタン:わかったわかった。学校をサボって探しに行こう。
カイル:「弟が自分で考えられないって知ってるだろカイル!」、「歯磨いてフロスをしなさいカイル!」、「どこに指をやってるのカイル!」
スタン:おい!
5ブロック目

Is there a problem, boys?

Yes, Mr. Garrison, I have to go now.
ここは難しい単語もなく聞き取りも簡単でありがたいですね!

文の構造や文法的にも難しいことはありません。
ギャリソン:どうかしたのかい少年たち?
カイル:はい、ギャリソン先生。もう行かないといけないんです。
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Oh, really, Kyle? What is it this time? Another prostate tumor?

No, my little brother’s been abducted by aliens. It’s true! Ask Cartman, they gave him an anal probe.
ギャリソン先生のセリフはゆっくりですが、単語が難しくて聞き取れなかったという人が多いかもしれません。
- What is it?:どうかしたの?
- prostate:前立腺
- tumor:腫瘍
「it」は「要件」や「問題」などを抽象的に指しており、「What is it?」で「問題は何?」、「何か用?」といった意味になります。
もちろん直訳通り「それは何?」という意味でも使われます。
イメージとしては、「What’s the matter?」のような感じですね。
「腫瘍」を表す単語です。日本語の「腫瘍」と同じように、悪性の場合は「がん」を暗示するため、「tumor」も「cancer」の婉曲表現として使われることがあります。

ここはアメリカンジョークが入っています!
- ギャリソン:What is it this time?
- Another prostate tumor?
- カイル:my little brother’s been abducted by aliens.
「this time」は文字通り「今回」という意味です。
「今回は何が問題なんですか?」と聞かれるということは、以前も似たようなことがあったということですね。

やんちゃな少年たちなので、先生も「今回は一体何を理由にサボろうとしているんですか」という対応をしているのです。
この文は先ほどの質問の続きで、わかりやすいように欠けている部分を補うと次のようになります。
Is another prostate tumor the problem this time?
もしくは次のように考えてもいいでしょう。
Is another prostate tumor the reason you have to go now?
「another」は「別の〜」、「もう1つの〜」という意味なので、「another prostate tumor」は「別の前立腺腫瘍」です。
この部分だけを見ると「別の前立腺腫瘍が問題ですか?」となってあまり意味が分かりませんが、文脈を考えるとこれはつまり、
また前立腺に腫瘍ができたんですか?
という意味です。

もちろんカイルが以前に腫瘍があったというではなく、サボる理由として「『また』大層な理由をでっち上げるんですか?」というニュアンスです。
日本風に言うのであれば「親戚の法事で…」とか「持病の通院で…」とかでしょうか。
あえて「どうせズル休みでしょ?」と聞かないところがミソですね。
まったく同じセリフを Part 4 で見ましたね。「’s」は has の省略です。
my little brother has been abducted by aliens.
ギャリソン:今回は何ですか?また前立腺に腫瘍ができたとでも言うんですか?
カイル:いええ、弟が宇宙人にさらわれちゃったんです。本当なんです!カートマンに聞いてください、あいつらカートマンに肛門ロケットを仕込んだんです。
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Heh, heh, that’s a, that’s, that’s a little joke. Heh, heh.
宇宙人は夢だと主張し続けていたカートマンですが、図星を突かれたのかしどろもどろに否定をしています。
- a little joke:軽い冗談
これは特に重要な表現ではないのですが、「little joke」という形を覚えておきたいため取り上げました。このように、ある単語(joke)と一緒によく使われる単語(little)の組み合わせをコロケーションといいます。
単語同士では意味が通っていても「自然でない」ように感じられる組み合わせも多いため、相性のいい言葉をまとめて覚えておくことが大切です。

文章の解説は必要ないでしょう。
カートマン:はは、ははっ、あれは、あっ、あれはジョークだよ、ははっ、ははっ。
8ブロック目

Mr. Garrison, seriously, I have to go. Can I please be excused from class?

I don’t know, Kyle. Did you ask Mr. Hat?

I don’t want to ask Mr. Hat, I’m asking you!
カイルの「want to」は音が繋がって「wanna」になっていますね。
- be excused from 〜:〜から免除される
「Excuse me」などに使われるあの「excuse」です。元々「excuse」には「〜を許す」という意味があるので、「be excused from 〜」は「〜から許される」=「〜から免除される」という意味になります。

何とか弟を助けにいきたいカイルですが、ギャリソン先生がまさかの切り返しをします。
- カイル:Can I please be excused from class?
- ギャリソン:I don’t know, Kyle. Did you ask Mr. Hat?
- カイル:I don’t want to ask Mr. Hat, I’m asking you!
「Can I please 〜」は「〜してもいいでしょうか」という丁寧な疑問形です。

何としても学校を抜け出したいので、ここは誠意を見せるカイルです。
カイルのお願いに対するギャリソン先生の返答はまさかの「わかりません」。
さらに「ハットくんに聞きましたか?」と返します。

授業もハットくんがメインで進めていたことから、すべての進行はハットくんが決めているのかもしれませんね。
カイルは「ハットくんには聞きたくない」と言っています。

少年たちがハットくんをどのように評価しているかはこの時点ではわかりませんが、少なくとも早く答えが欲しいカイルはハットくんにわざわざ聞くのが煩わしいと思っています。
なぜなら今は「I’m asking you!:あなたに聞いている」わけですからね。
カイル:ギャリソン先生、真剣に行かないといけないんです。授業を抜けてもいいですか?
ギャリソン:私にはわかりません、カイル。ハットくんには聞いてみましたか?
カイル:ハットくんには聞きたくないです、僕はあなたに聞いてるんです!
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Oh I think you should ask Mr. Hat.

Mr. Hat, may I please be excused from class?

Well, Kyle, no!! You hear me?! You go to hell! You go to hell and you die!
ハットくんの凶暴さが現れたシーンですね。ギャリソン先生とカイルは比較的ゆっくりですし、ハットくんのセリフは特に強く発音されているので聞き取りはしやすい方ではないでしょうか。
- You hear me?:よく聞くんだよ
- go to hell:うせろ、ちくしょう
直訳通り「私の話を聞いていますか?」という意味になることもありますが、「私の話を聞きなさい」と注意を促すようなニュアンスになることもあります。
「Do you hear me?」という疑問文の「Do」が抜け落ちた形、もしくは「hear me」という命令文が強調された形として捉えることができます。
「hell」は「地獄」なので、「地獄に落ちろ」という意味です。
もちろん文字通り地獄に落ちてほしいという意味にもなりますし、単に「うせろ」という意味にもなります。また、「Damn it」のような「ちくしょう」といった意味で使われることもあります。

ハットくんにお願いしたカイルですが…!?
- カイル:Mr. Hat, may I please be excused from class?
- ハット:Well, Kyle, no!! You hear me?! You go to hell! You go to hell and you die!
先ほどのカイルの発言と比べると、「can」が「may」に変わっていることに気付きます。
ニュアンスとしては「may」の方が丁寧なので、ここではカイルがハットくんに尋ねるにあたってさらに丁寧な言い方に改めたことになります。
「Well, Kyle」で少し考えている風を装いますが、そこから「no!!」と否定して罵声が続きます。
形としてはすべて「You」から始まっているものの、どれも命令口調なのは明らかでしょう。

教師とは思えない…というより誰であってもこんなことを人前で言ったらトラブルになること間違いなしです。
全体的にサウスパークの登場人物は口が悪い傾向にありますが、物怖じせずズバズバと思ったことを言葉にするストレートさが見ている人にとっては清々しく感じられるのかもしれませんね。
ギャリソン:おや、ハットくんに聞いてみるべきだと思いますよ。
カイル:ハットくん、授業を抜けてもよろしいでしょうか?
ハット:そうだなぁ、カイル。ダメだ!!よく聞けよ!?失せな!さっさと失せて死にやがれ!
10ブロック目

Hmm, guess you’ll have to take your seat, Kyle.

Damn it!

Hah, hah. Mr. Hat yelled at you.
- take one’s seat:着席する
「sit down」と同じ「着席する」という意味ですが、「take one’s seat」の方が丁寧な表現です。

ギャリソン先生のサイコパスっぷりが怖いですね。。。
- ギャリソン:Hmm, guess you’ll have to take your seat, Kyle.
- カートマン:Mr. Hat yelled at you.
動詞から始まっているので命令文…ではありませんね。これは「Kick the baby」と同じく、主語の省略が起きています。
(I) guess you’ll have to take your seat
「guess」は「〜を推測する」という意味の動詞です。確かにそう思うというニュアンスよりは「何となくそう思う」というニュアンスが強いです。

単に「着席しなさい」というのではなく、「着席した方がいいようと思うよ」という方が柔らかい印象ですね。
こんな気遣いができるギャリソン先生ですが、汚い言葉はすべてハットくんに言わせて自分は泥を被らないというのがサイコパスです…。
文自体は簡単で「ハットくんがお前を怒鳴った」ですが、このように訳しても文脈とのつながりが悪いです。

カイルを馬鹿にした発言であることを踏まえることが大切です。
口調から「ハットくんに怒られてやんの〜」という煽りが込められている点をしっかり理解しておきましょう。
日本語のような語尾「〜だ」、「〜です」、「〜だぜ」は英語の文字にはありませんが、これらの違いは口調やイントネーションで区別されるので、そういった点からも音の情報は重要です。
ギャリソン:うーん、着席した方が良さそうですね、カイル。
カイル:くそっ!
カートマン:ははっ、ハットくんに怒鳴られてやんの〜。
今回はここまでです!アイクのことが気になるカイルですが、学校をサボって助けに行く選択肢はハットくんにより断たれてしまったようです。これからどうやって助けに行くのでしょうか???

次回はカートマンの体に異変が…!
サウスパークはかなり難しい部類ですが、何回聞いてもいくら解説されても本当にまったくわからない…という方は英会話に対する取り組み方を見直すことも大切です。
この本は、海外ドラマに限らず実際に日常的に使われる単語が非常に少ないという点に注目し、具体的な練習問題を通して英会話として使える英語を身につけるというコンセプトで作られています。Amazonの売れ筋ランキングで第1位を取ったこともあり、試し読みをすることもできるので気になる方はぜひチェックしてみてください!
まとめの日本語訳とクイズ

- ギャリソン:それじゃあ子供たち、僕たちのお友達ハットくんがクリストファー・コロンブスについて話してくれるよ。
ハットくん:そうだね、ギャリソン先生。クリストファー・コロンブスはアメリカを発見して、先住民の大親友だったんだ。 - ハット:彼は先住民と一緒にフレデリック・ダグラスと戦って、ナポレオンからヘブライ人を解放したんだ。フランスを見つけたのも彼だね。1492年にはレストランを始めて…
- カイル:あぁ…、こんなとこでじっとしてらんないよ。弟を助けないと。じゃないと家に帰ったらお父さんに怒鳴られるんだ。「弟はどこに行ったんだカイル!」「ちゃんと見ていなかったんだろ、カイル!」
- スタン:わかったわかった。学校をサボって探しに行こう。
カイル:「弟が自分で考えられないって知ってるだろカイル!」、「歯磨いてフロスをしなさいカイル!」、「どこに指をやってるのカイル!」
スタン:おい! - ギャリソン:どうかしたのかい少年たち?
カイル:はい、ギャリソン先生。もう行かないといけないんです。 - ギャリソン:今回は何ですか?また前立腺に腫瘍ができたとでも言うんですか?
カイル:いええ、弟が宇宙人にさらわれちゃったんです。本当なんです!カートマンに聞いてください、あいつらカートマンに肛門ロケットを仕込んだんです。 - カートマン:はは、ははっ、あれは、あっ、あれはジョークだよ、ははっ、ははっ。
- カイル:ギャリソン先生、真剣に行かないといけないんです。授業を抜けてもいいですか?
ギャリソン:私にはわかりません、カイル。ハットくんには聞いてみましたか?
カイル:ハットくんには聞きたくないです、僕はあなたに聞いてるんです! - ギャリソン:おや、ハットくんに聞いてみるべきだと思いますよ。
カイル:ハットくん、授業を抜けてもよろしいでしょうか?
ハット:そうだなぁ、カイル。ダメだ!!よく聞けよ!?失せな!さっさと失せて死にやがれ! - ギャリソン:うーん、着席した方が良さそうですね、カイル。
カイル:くそっ!
カートマン:ははっ、ハットくんに怒鳴られてやんの〜。
クイズ
今回の内容を復習しましょう。
サウスパークでは色んな英語表現が学べますが、それらを実際に使って英語を話せるようになるには英語で人とコミュニケーションを取る経験が欠かせません。でも、日本で生活しているとそういう機会ってほとんどありませんよね。
この本は「ひとりごと」を英語ですることで、自宅にいながらひとりで実践的な英語を使えるようになるというコンセプトのもと作られています。文法も知識からスタートするのではなく、「ひとりごと」として口に出しながら身に付けていくため、私たちが日本語を身に付けていったのと同じように自然に習得することができます。
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