
今回は全5回のうちの第5回で4:00〜最後までの文章を扱っています!
- 0:00 〜 1:00
- 1:00 〜 2:00
- 2:00 〜 3:00
- 3:00 〜 4:00
- 4:00 〜 最後まで
参考 South Parkとは??という方は、こちらのページをご覧ください。
英語レベル:中学卒業〜高校程度
基本的な文法が押さえられていれば問題ありませんが、一部難易度の高い倒置があります。
今回の文章には品のない内容が一部含まれています。
カジュアルな英語表現を身につけるという目的のために、そうした内容も他の話題と区別することなく解説を行いますが、ご気分が優れない方もいらっしゃるかと思いますので、その場合はここで引き返すことをおすすめします。
参考 視聴の上での注意はこちらの記事で説明してあります。
今回のスクリプトは South Park Archives からの引用であり、本記事の関連するすべての内容は クリエイティブ・コモンズ 表示 – 継承 3.0 国際 ライセンスの下に提供されています。
また、South Park に関する画像は Comedy Central に著作権があり、関連するロゴやタイトル、キャラクターはすべて Comedy Partners の商標となっています。
過去には公式サイトで視聴できたようですが、どうやら厳密にはサウスパークでないとのことから削除されてしまったようです。現在はファンによりアップロードされた動画がYouTube(検索結果が開きます)などで確認できます。
Jesus vs. Santa:前回までの振り返り
イエスとサンタのどちらを助けるか悩む少年たち。ここでスタンが

ブライアン・ボイタノだったらどうするかな?
と考え始めると、なんとブライアン本人が登場します。

いいかい子供たち。クリスマスっていうのはみんなが仲良くする1年に1度の機会だろう。
ブライアンの話に感銘を受けた少年たちは、イエスとサンタそれぞれに思いの丈を伝えます。

サンタは幸せと喜びをみんなに届けて神様の誕生日の意味を守っているんだ!

イエスがいなかったらクリスマスだって存在しなかったこと、サンタも理解しないと!
今回は、そんな少年たちの熱い思いを受けたイエスとサンタが自らの行動を悔い改めるそんなお話です。
今回のスクリプト
聞き取れなかった方はまず文面で理解し、その後スクリプトを見ながら徐々に耳を慣らしていきましょう!
スクリプトはこちらです(一部大文字・小文字を修正)。
- サンタ:You’re right kids. I’m sorry Jesus.
イエス:No, no. It’s me who should be sorry. I’ve been a right bastard. I’m sorry Kringle. - サンタ:Thank you boys.
イエス:Yeah, thank you boys. Come on, Kringle, I’ll buy you an orange smoothie.
サンタ:Oooo! - スタン:Whew. That sucked.
カイル:Yeah, but just think. Today we actually met–we actually spoke–to the Brian Boitano. - スタン:Yeah. And you know? I think I learned something today, it doesn’t matter if you’re Christian or Jewish or atheist or Hindu. Christmas still is about one very important thing:
- カートマン:Yeah, ham.
スタン:No not ham, you fat fuck!
カートマン:Fuck you! - スタン:…Christmas is about something much more important!
カイル:What? - スタン:Presents.
カイル:Ah.
スタン:Don’t you see, Kyle?
カイル:Yeah.
スタン:Presents. - カイル:Hey man, if you’re Jewish you get presents for eight days.
スタン:Wow, really? Count me in.
カートマン:Yeah, I’ll be a Jew too. - 少年たち:Dreidel dreidel dreidel, I made you out of clay! Dreidel dreidel dreidel, then dreidel I will play!
構文解析と意味の取り方

構文解析などという高尚なものではありませんが、1つずつ丁寧に文を見ていきます。
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You’re right kids. I’m sorry Jesus.

No, no. It’s me who should be sorry. I’ve been a right bastard. I’m sorry Kringle.
ここは2人ともゆっくり発音しているため、聞き取りやすいと思います。
- right bastard:本当に嫌なやつ
- you are right:あなたの言うことは正しいと思う
「bastard」が「嫌なやつ、くそったれ」という意味のスラングです。この「right」は「正しい」という意味ではなく、「まったくもって」という強調の意味で使われています。
放送禁止というレベルではありませんが、「bastard」が非常に強い侮辱の意味を持っているため、人に対して使うのは控えるべきです。
あらためて説明する必要はないかもしれませんが、重要かつ便利な表現です。相手の言っていることに対する同意を示すために使用します。

文法的に難しいところも特にないでしょう。
- サンタ:You‘re right kids. I’m sorry Jesus.
- イエス:No, no. It’s me who should be sorry.
- I’ve been a right bastard.
- I’m sorry Kringle.
ここでの「You」は後ろに「kids」とある事から、スタンとカイルの2人を指していることがわかります。
2人の思いが通じたわけですね。
「It is 〜 who/that …」の形で「〜なのは…だ」という意味の強調構文です。
「謝らなければいけないのは私(の方)だ」という意味ですね。
現在完了形です。ここでは「今まで〜だった」という継続の意味で使用されています。
「私は本当に嫌なやつだったな」という感じです。
「Kringle」は Part 2 でも見た通り、サンタクロースの別名です。

いがみ合っていたイエスとサンタですが、子供たちの純粋な言葉を受け入れる素直さも持ち合わせている、憎めないキャラクターですね。
サンタ:君たちの言う通りだ。イエスよ、すまなかった。
イエス:いやいや。詫びをしなければいけないのは私の方だ。本当にクソ野郎だった。すまなかった、クリングル。
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Thank you boys.

Yeah, thank you boys. Come on, Kringle, I’ll buy you an orange smoothie.

Oooo!
「I’ll buy you」の部分が少し早口で難しいかもしれませんが、全体的には簡単な部類でしょう。

難しい語彙や表現は特にありません。
イエスの発言に注目しましょう。
I’ll buy you an orange smoothie.
「buy」は「SVOO」の形で「〜に…を買ってあげる」という意味ですね。
「SVO」の形に書き換えるのであれば、
のように「for」を使用します。

なぜオレンジスムージーなのかはわかりませんが、お詫びにドリンクを1杯おごってあげるよ、という感じでしょう。
サンタの「Oooo」は驚きやからかいなど、色んな状況で登場する言葉です。ここでは「う〜ん、いいねぇ」というスムージーへの期待感・喜びが表れています。
サンタ:ありがとう、少年たち。
イエス:ああ、感謝するよ。さあ来なよクリングル、オレンジスムージーを奢るよ。
サンタ:おぉ〜、いいねぇ〜。
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Whew. That sucked.

Yeah, but just think. Today we actually met–we actually spoke—to the Brian Boitano.
イエスとサンタがオレンジスムージーを買いに行ってしまった後の少年たちです。
- speak to 〜:〜と話をする
「〜に話しかける」という意味だけでなく、「〜と話をする」という意味もあります。
この意味では、「speak with 〜」に置き換えができます。

スタンの言葉はすべて今までに見た形ですね!
- スタン:Whew. That sucked.
- カイル:Yeah, but just think.
- Today we actually met–we actually spoke–to the Brian Boitano.
「Whew」は Part 2 で見た通り、「ふぅ、やれやれ」です。
「suck」は「Jesus vs. Frosty」で登場した表現ですね。「最悪だ」といった意味合いです。
ここの「just」は命令文の意味を弱める使い方で、「ちょっと〜してくれよ」という意味になります。
「actually」は「実際に」という意味の副詞です。
通常固有名詞に冠詞を付けることはありませんが、実は今回のように「the + 人物名」とすると「あの有名な〜」という意味になる用法が「the」にはあります。

日本語でも「あの〜に会ったんだよ!」のように言うことがありますよね。
スタン:ふぅ。最悪だったね。
カイル:うん、でもちょっと考えてみてよ。今日俺たち、本当に会ったんだよ、あのブライアンと本当に話したんだ!
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Yeah. And you know? I think I learned something today, it doesn’t matter if you’re Christian or Jewish or atheist or Hindu. Christmas still is about one very important thing:
- atheist:無神論者
神の存在を信じない立場である「無神論」のスタンスを取る人を表す言葉です。
無神論というのは「神など存在しない」と積極的に神の存在を否定する立場です。日本人は特定の宗教を信仰する人が少ない傾向にありますが、苦しい時の神頼みという言葉があるように、決して神の存在を否定しているわけではなく、「いるかいないかで言えばいないだろうけど、もしかしたらいるかもね」くらいの立場の方が多いのではないでしょうか。
こうした立場は無宗教(irreligious)と呼ばれ、時として無神論と同じように扱われますが、根本的には異なる立場です。人によっては厳密に区別する場合もあるため、あなたの宗教観は?と聞かれたら「atheist」と答えるよりも「irreligious」と答える方が伝わりやすいでしょう。

少し長いですが、その分学ぶものが多くあります!
- スタン:Yeah. And you know?
- I think I learned something today, it doesn’t matter if you’re Christian or Jewish or atheist or Hindu.
- Christmas still is about one very important thing:
「matter」は「〜が問題だ、〜が重要だ」という頻出表現で、形式主語「it」を使用することがよくあります。
この文を「it」を使わない形に直すと、次のようになります。
Whether you’re Christian or Jewish or atheist or Hindu doesn’t matter if .
「Whether 〜 Hindu」が主語ですが、英語では長い主語は良くないとされているので、「it」を使って主語を短くしているのです。
また、この文の「you」は「あなた」ではなく「一般の人々」を指しています。
「still」は「まだ、それでも」という意味ですが、語順に注意しましょう。肯定文において、「still」はbe動詞の後ろに置くのが文法的に正しい使い方です。
参考 Cambridge Dictionary “Still”
しかし、文法的には間違いですが、今回のように会話文ではbe動詞の前に置かれることがしばしばあります。
耳にすることが多いため自然と覚えてしまいがちですが、正しい文章を書く上では間違えないように注意しましょう。
また、「be about 〜」の訳し方は「Jesus vs. Frosty」の時と同様にして、「本質は〜だ」のようにしましょう。

ちなみに、文末の「:」はスタンの発言が途切れてしまったことを表しているだけなので、特に意味はありません。
スタン:あぁ。それにさ?俺今日大事なことがわかったと思うんだ。キリスト教徒でもユダヤ教徒でも無神論者でもヒンドゥー教徒でも関係ないんだ。そういうのに関係なく、クリスマスの本質っていうのは超大事なある1つのことなんだよ。
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Yeah, ham.

No not ham, you fat fuck!

Fuck you!
後半は2人の言葉が被ってしまうので聞き取りにくいですが、聞き取れなくてもあまり問題はないでしょう。
- ham:ハム
特別解説が必要なものではありませんが、ハムは英語で「ham」と綴ります。

カートマンはなぜハムと言ったのでしょうか??
特に訳出で難しいところはないので、カートマンがなぜハムと言ったのかだけ確認しましょう。
日本のクリスマスといえばチキン、欧米のクリスマスといえば七面鳥というイメージがありますが、実はハムを食べる家庭も多くあります。

ハムはハムでも日常的に食べるような薄いハムではなく、分厚いローストハムなので立派なご馳走です。

そして、この作品だけではあまり描写がありませんが、カートマンは食い意地が張ったキャラです。
これを踏まえると、クリスマスといえばご馳走というイメージでカートマンが「ハム!」と発言したことがわかりますね。
カートマン:ああ、ハムだな!
スタン:ハムじゃねぇよ、デブ野郎!
カートマン:なんだとくそ野郎!
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…Christmas is about something much more important!

What?
ここはかなり早口ですが、スクリプトを見ながらであれば「なるほど」となるのではないでしょうか。
- much:(比較級を強調して)はるかに
比較級を強調する表現はいくつかありますが、その中で代表的なのがこの「much」です。その他の表現としては、
- by far
- way
などがあります。

ここでも「be about 〜」が使われていますね。
スタンの発言に注目しましょう。
…Christmas is about something much more important!
「something」を修飾する際は、後ろに形容詞を続けることに注意しましょう。
「much」は「more」を強調しており、「much more important」で「はるかに重要な」という意味になります。
答えは、先ほどカートマンが言及した「ham」です。
スタン:クリスマスの本質はもっと大事なものだよ!
カイル:なに?
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Presents.

Ah.

Don’t you see, Kyle?

Yeah.

Presents.
ここは単語が少ないので聞き取りしやすいでしょう。難しい表現もありませんね。

「Don’t you 〜?」の否定疑問文だけチェックしておきましょう。
単純に
Do you see?
と言った場合は「わかる?」という確認になります。一方で、
Don’t you see?
と否定の疑問文にした場合、「わかるよね?」という念押しのニュアンスが加わります。
プレゼントがクリスマスに大事ということは特別変わった考えではないため、スタンはカイルに「わかるでしょ?」と同意を求めたのです。

クリスマスの本当の意味はプレゼントにあるというのは「Jesus vs. Frosty」の時と同じ結論です。
「Jesus vs. Frosty」の時と同様にこれまでの話の流れとはまったく関係がありませんが、とにかくプレゼントをもらえることが何よりの楽しみ、というのは子供らしくてなんとも可愛いですね。
スタン:プレゼントだよ。
カイル:ああ。
スタン:わかるでしょ、カイル?
カイル:うん。
スタン:プレゼントなんだよ。
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Hey man, if you’re Jewish you get presents for eight days.

Wow, really? Count me in.

Yeah, I’ll be a Jew too.
- count 〜 in:〜を勘定に入れる、〜を仲間に入れる
「あるものを特定のグループに数え入れる」というのが核の意味です。人を自分のグループに数え入れることは「仲間に入れる」ことですし、ある項目としてカウントすることは「勘定に入れる」ことに他なりません。
細かいことにはなりますが、この「in」は副詞です。なぜ副詞であることを知らなければならないかというと、語順に関するルールがあるからです。「動詞+副詞」という形の句動詞の場合、次の3つのみが可能です。
次の形は間違いです。
「in」は前置詞で使われることが多いため「count in」の「in」も前置詞だと勘違いしてしまいがちなのですが、「動詞+前置詞」型の句動詞では語順に別のルールがあるため、1つずつ覚えていくほかありません。
間違いを避けるためには「count me in」のような代名詞を含めた形で覚えていくのがいいでしょう。

文の構造はここも簡単ですね。
カイルの発言に注目しましょう。
Hey man, if you’re Jewish you get presents for eight days.
「Hey man」は会話でよく使われる表現で、相手の注意を引くために使われます。日本語では「ねえ」や「おい」、「あのさ」など、状況に応じて色んな訳し方がされます。
ここでは、「あのさ、ユダヤ人だったらプレゼントを8日間ももらえるんだよ」という感じですね。
ユダヤ教にハヌカというユダヤ教版クリスマスのようなイベントがあることは Part 1 で説明しましたが、ハヌカのお祝いをする8日間の間にユダヤ人の子供は、実際に毎日プレゼントを貰います。伝統的には小銭やコイン型チョコレートをあげる習慣だったものの、クリスマスなどの影響を受けて子供たちがより楽しめるようにモノでプレゼントをあげる家庭が現在は多いようです。
参考 Wikipedia “Hanukkah”
参考 my JEWISH LEARNING “Hanukkah Gifts”

「Jesus vs. Frosty」でアメリカではクリスマスプレゼントを複数もらうのが当たり前ということは触れましたが、さすがに8つももらえるとなると驚きですね!
カイル:あのさ、ユダヤ人ってプレゼントを8日ももらえるんだよ。
スタン:わお、それほんと?俺も入れてよ。
カートマン:ああ、俺もユダヤ人になるよ。
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Dreidel dreidel dreidel, I made you out of clay! Dreidel dreidel dreidel, then dreidel I will play!
冒頭でも聞いたハヌカソング「I Have a Little Dreidel」ですね。

最後の「then dreidel I will play!」という部分が加わっており、これが意外と厄介です。
then dreidel I will play!
この文について考えましょう。
まず、「then」は「I made you out of clay」を受けて「粘土でお前(ドレイドル)を作った後は」ということを指しています。
ここで、次の疑問が浮かび上がってきます。
「dreidel」はユダヤ式のコマを表す単語で、もちろんコマは可算名詞なので
- a dreidel
- the dreidel
- dreidels
なら意味が通ります(実際に曲名は「I Have a Little Dreidel」ですよね)。しかし、ここでは「a」も「the」もなければ複数形でもありません。
実はこの文は倒置しており、以下の形が元になっています(then は省略)。
I will play dreidel!

一旦倒置の仕組みは置いておきましょう。
「play dreidel」は「ドレイドルで遊ぶ」という意味で、冠詞がついていないのは「play baseball」などと同じ理屈です。
「野球をする」と言った場合、決して1つの野球ボールで遊ぶという意味ではなく、バットやグローブなどを使って一定のルールのもとに行われる「野球というスポーツ」を行うことを意味しますよね。
つまり、「ドレイドルというコマ単体」についてどうこう言っているのではなく、「ドレイドルという遊び」という抽象的なものについて話しており、この場合は不可算名詞として扱われるのです。
さて、「dreidel」に冠詞が付かない理由がわかったところで、倒置の話に戻りましょう。英語では何かを強調したい場合に、強調したい部分を文頭に持ってきて語順を変えることがあります。
- I will play dreidel!:僕はドレイドルで遊ぶんだ!
- Dreidel I will play!:ドレイドルで、僕は遊ぶんだ!
1は通常の形です。日本語だとどちらでもすんなり意味が通ってしまうため区別が難しいですが、ここではすでに「dreidel」という単語が繰り返し登場していることを踏まえる必要があります。
上で見た通り歌詞ではまず、ドレイドルを粘土から作ったことを述べています。続いて「then」と単語が出てくれば…

次に聴き手が知りたいのはドレイドルで「何をするか」ですよね。
ここで「Dreidel」と文を始めるとそこに焦点が当たり、「ドレイドルで次に何をするんだ?」という期待感を高めることができます。
逆に1のように「I will play…」となってしまうと、そもそもドレイドルについての歌であることはみんな知っているので、最後の「dreidel」という単語を聞かなくても「play」が出た時点で意味が分かってしまうわけです。
つまり、ドレイドルで「遊ぶ(play)」ということを最後の最後まで引っ張るために、あえて最初に「Dreidel」と置いて強調させているのです。
このように、強調したい部分を文頭に持ってくることを Fronting といいます。
日本語では倒置という言葉にまとめられてしまい、この現象を表す特別な用語は存在しない、あるいはほとんど知られていないようです(少なくとも管理人とみーは今のところ見つけられていません)。
Fronting は会話でよく使用され、中には文学的な文章や公式の文書などで使用される表現もありますが、何がフォーマルで何がインフォーマルなのかを見極めるのは難しいため、自信がなければ書き言葉として使用するのは控えた方がいいでしょう。
参考 Cambridge Dictionary “Fronting”
参考 Wikipedia “English clause syntax”
ワンピースの有名なセリフを取り上げましょう。
- I’ll become…the King of Pirates!:俺はなってやる…海賊王に!
- The King of Pirates…I’ll become!:海賊王に…俺はなる!
1は通常の形です。「become…」とすることで「何になるんだろう?」と期待感を抱かせる感じですね。
一方の2は、最初から「海賊王」という言葉が出ることで文頭から大きなインパクトがあり、さらに「海賊王がどうしたんだ?」という疑問を抱かせ、そこに「I’ll become」と来ることで海賊王に「なる」つもりであることが明らかになり、二重に強い印象を与えます。
ちなみに、実際の英語バージョンでは倒置なしの1が採用されており、「何になるのか」という期待感を高めるのが重視されたようですが、この点が逆に海外のワンピースファンを混乱させることもしばしばあるようです。
参考 reddit ‘Why “Kaizoku Ou ni, ore wa naru!” not “Ore wa Kaizoku Ou ni naru!”?’
参考 reddit ‘”I’ll be…” grammar matters?’
少年たち:ドレイドルやドレイドル、ドレイドルよ。粘土からお前を作ったよ!ドレイドルやドレイドル、ドレイドルよ。ドレイドルでさあ遊ぼう!♪
最後はケニーを除いてハッピーエンド(?)風でしたね。

お疲れ様でした!
まとめの日本語訳とクイズ

- サンタ:君たちの言う通りだ。イエスよ、すまなかった。
イエス:いやいや。詫びをしなければいけないのは私の方だ。本当にクソ野郎だった。すまなかった、クリングル。 - サンタ:ありがとう、少年たち。
イエス:ああ、感謝するよ。さあ来なよクリングル、オレンジスムージーを奢るよ。
サンタ:おぉ〜、いいねぇ〜。 - スタン:ふぅ。最悪だったね。
カイル:うん、でもちょっと考えてみてよ。今日俺たち、本当に会ったんだよ、あのブライアンと本当に話したんだ! - スタン:あぁ。それにさ?俺今日大事なことがわかったと思うんだ。キリスト教徒でもユダヤ教徒でも無神論者でもヒンドゥー教徒でも関係ないんだ。そういうのに関係なく、クリスマスの本質っていうのは超大事なある1つのことなんだよ。
- カートマン:ああ、ハムだな!
スタン:ハムじゃねぇよ、デブ野郎!
カートマン:なんだとくそ野郎! - スタン:クリスマスの本質はもっと大事なものだよ!
カイル:なに? - スタン:プレゼントだよ。
カイル:ああ。
スタン:わかるでしょ、カイル?
カイル:うん。
スタン:プレゼントなんだよ。 - カイル:あのさ、ユダヤ人ってプレゼントを8日ももらえるんだよ。
スタン:わお、それほんと?俺も入れてよ。
カートマン:ああ、俺もユダヤ人になるよ。 - 少年たち:ドレイドルやドレイドル、ドレイドルよ。粘土からお前を作ったよ!ドレイドルやドレイドル、ドレイドルよ。ドレイドルでさあ遊ぼう!♪
クイズ
今回の内容を復習しましょう。
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