
歌詞は短いですが、意外と知らない表現があったりするかもしれませんよ〜!
参考 South Park とは??という方は、こちらのページをご覧ください。
英語レベル:中学卒業〜高校程度
基本的な文法が押さえられていれば問題ありませんが、分詞構文が登場するため中学校で習う範囲だけだと少し足りない部分があるかもしれません。
今回の文章には品のない内容が一部含まれています。
カジュアルな英語表現を身につけるという目的のために、そうした内容も他の話題と区別することなく解説を行いますが、ご気分が優れない方もいらっしゃるかと思いますので、その場合はここで引き返すことをおすすめします。
今回の歌詞は South Park Archives からの引用であり、本記事の関連するすべての内容は クリエイティブ・コモンズ 表示 – 継承 3.0 国際 ライセンスの下に提供されています。
また、South Park に関する画像は Comedy Central に著作権があり、関連するロゴやタイトル、キャラクターはすべて Comedy Partners の商標となっています。
サウスパークのOPソング「South Park Theme」
South Park Theme は、アニメ「サウスパーク」のオープニングソングです。
プライマス(Primus)というアメリカのロックバンドの作曲で、曲中にはサウスパークのキャラクターの他にプライマスのボーカルであるレス・クレイプールが登場します。

初めて聞いただけで全部聞き取れ、意味も取れたという方はいるでしょうか?
英語のドラマやアニメを見たことがない人にとっては、30秒弱のオープニング曲でもすごく難しく感じたのではないでしょうか?
それもそのはず、中学や高校で習う英語とはスピードも発音も違う部分が大きく、特に聞き慣れない曲となると難しいのも当然です。
しかし、繰り返して聞いていくうちに耳が慣れ、「読んで書いて覚える」英語から「聞いて口ずさんで身につける」英語へとシフトしていくにはちょうどいい難易度だと思います。

オープニングソングなので毎エピソードで聞く事ができますしね!
今回は、今後サウスパークでの英語学習を楽しく進めていくためのイントロダクションとして、すごーく簡単なキャラクター紹介と、曲の歌詞和訳をしていきたいと思います。
登場キャラクター

オープニング中には色んなキャラクターが登場しますが、実際に声を出しているのは以下の5人です。
- 主要キャラクター:
- カイル・ブロフロスキー
- スタン・マーシュ
- エリック・カートマン
- ケニー・マコーミック
- プライマスボーカル
- レス・クレイプール
おそらくこの記事を読んでいる段階では、サウスパークを見始めたばかりであまりよくわからないと思うので、キャラクター名を見てもピンとこないでしょう。
今回は特にストーリーのない歌詞だけなので詳しいキャラクター紹介はしないことにしますが、4人の主要キャラクターの名前くらいは覚えておくといいかもしれません。

これからアニメを見進めていく中で、徐々に誰が誰なのかが段々わかってくるので心配は無用です!
歌詞(スクリプト)
さて、お待ち兼ねの歌詞です。
- レス:I’m goin’ down to South Park, gonna have myself a time.
- カイル&スタン:Friendly faces everywhere, humble folks without temptation!
- レス:I’m goin’ down to South Park, gonna leave my woes behind.
- カートマン:Ample parking day or night, people spouting: “HOWDY, NEIGHBOR!”
- レス:I’m headin’ on up to South Park, gonna see if I can’t unwind.
- ケニー:I like girls with big fat titties, I like girls with deep vaginas!
- レス:So come on down to South Park, and meet some friends of mine.
映像を見た事がある方はわかると思いますが、サングラスをかけてアコースティックギターを弾いているおっちゃんがレス・クレイプールです。
基本的には
レス → 主要キャラクター
と交互に歌い手が変わっていく構成ですね。

文は全部で7つです。早速見ていきましょう!
構文解析と意味の取り方

構文解析などという高尚なものではありませんが、1つずつ丁寧に文を見ていきます。
1文目
I’m goin’ down to South Park, gonna have myself a time.
- goin’:goingの短縮系
- gonna:going toの短縮系
- go down:下へ行く
- have oneself a time:楽しく過ごす
「〜ing」の発音はカタカナで「〜イング」と表記されることが多いですが、実際は最後の「g」は読まれず、「〜イン」と発音されます。
これを綴りに反映させた結果、語尾の「g」が抜け落ちたのです。最後のアポストロフィ(’)は、「g」がもともとあったことを表しています。
参考 ただし、これはかなり大雑把な説明で厳密には正しくありません。興味のある方は次の記事も合わせてご覧ください。
これも同様に発音の都合で短縮された形で、「ゴナ」や「ガナ」のように聞こえると思います。
日本人の感覚からすると「going to」の発音からは少し距離があるような気がしてしまいますが、本当に頻繁に使用されるため徐々に慣れていくはずです。
基本的にこれらの表現はカジュアルとされており、文章として書くことはありません。話し言葉としてはどちらも頻繁に使用されますが、文字として書くのはせいぜい友達とのSNSくらいでしょう。
「〜へ行く」を表す表現は「go to〜」が馴染み深いと思いますが、「down」という副詞を付けて「go down to〜」とすることで「〜を降りて行く」という意味になります。

文の形としては、「現在進行形+分詞構文」になります。
今回の文は
- I’m goin’ down to South Park
- gonna have myself a time
という2つに分けましょう。
現在進行形(どちらかというと未来・意志)で、「サウスパークへ降りて行こう」といった感じです。
サウスパークは山岳地帯の盆地という設定なので、「山から降りて行く」という意味で「goin’ down」です。
先ほどの文に続く分詞構文ですが、訳し方は適当にすることがポイントです。
ここでは1に続けて、「そして楽しい時間を過ごそう」くらいがしっくりくるでしょうか。
サウスパークへ降りて行って楽しい時間を過ごそう(過ごすんだ)
2文目
Friendly faces everywhere, humble folks without temptation!
- folk:人々、みんな
- humble:謙虚な
- temptation:誘惑
「people」の砕けた表現で、頻繁に使用されます。

Hey folks!
は、「やあ、みんな!」という感じです。

この文は動詞がなく、名詞句を並べた形になっています。
動詞がないと気持ち悪い!という方は、文頭に「There are」を補ってあげると理解しやすいでしょう。
(There are) friendly faces everywhere, (and) humble folks without temptation!
「face」は顔ですが、ここでは「顔ぶれ」の意味です。
「without temptation」は直訳すると「誘惑のない」となりますが、これでは意味がよくわかりませんね。ここでは「humble folks(謙虚な人々)」のことを表しているので、「衝動にかられることのない」、「欲深くない」といったニュアンスになります。
手元の Oxford Advanced Learner’s Dictionary 9th editionでは、temptationの定義は次のように与えられています。
the desire to do or have sth that you know is bad or wrong(悪いとわかっていることをしたくなる願望)

つまり、悪いとわかっていることはしない、慎ましい人たちだと言っているのですね。
どこへ行っても好意的な顔ぶれ、衝動に駆られることのない謙虚な人たち(がいる/に出会える)
この「和訳しよう」シリーズでは、中学文法をある程度押さえられた方向けに説明を作成しているため、中学校で習う内容に抜けや漏れがあると少し難しいかもしれません。
できない部分がわかっている場合はその部分だけ復習すれば問題ありませんが、全体的にまとめて復習したい場合はこの本がおすすめです。
説明やイラストがわかりやすくまとまっていることに加え、必要な事項が網羅されているため、この本だけで基本的な部分はすべて復習することができます。
3文目
I’m goin’ down to South Park, gonna leave my woes behind.
引用元のサイトでは「I’m goin’ 〜」となっていますが、「I’m」は曲中で発音されていません。
学校で習うような綺麗な英語では「英語では主語は省略しない」とされていますが、実際のところ日本語と同じように主語が明らかな場合は省略することが会話ではよくあります。
- woe:悩みの種、悲痛
- leave behind 〜:〜を置いていく
この単語はフォーマルで、比較的硬い言葉です。どちらかというと書き言葉ではありますが、大袈裟に誇張した冗談混じりの表現としても使われるようです。

1文目と同じく「現在進行形+分詞構文」です。
1文目と同じなので難しいところはないでしょう。
例によって、分詞構文は深く考えずに適当に訳しましょう。
サウスパークへ降りて行って悩みの種なんて置いてこよう(置いていくんだ)
4文目
Ample parking day or night, people spouting: “HOWDY, NEIGHBOR!”
- spout:べらべら喋る
- howdy:やあ、よう(挨拶)
- ample:広い
たくさんお喋りする様子を表す動詞です。あまり喋りすぎると人をうんざりさせてしまう事があるため、そうした様子を非難するためにも使われます。
この言葉を快く思わない(disapproving)人も多いため、自分で使用する際には要注意です。
「how do you do?(調子はどう)」を崩した形です。返事を求めているというよりは、「やあこんにちは」のように単純に挨拶しているだけの場合がほとんどです。

2分目同様に動詞がなく、名詞句を並べた形です。
今回も文頭に「There is」を補ってあげるとわかりやすいでしょう。
(There is) ample parking day or night, (and) people spouting: “HOWDY, NEIGHBOR!”
今回の文で「There + be」の表現を使う際には、「There IS」が採用される事が多いです。
複数のもの(parking と people)を並べた場合、1番最初の単語の単複にbe動詞を合わせる
のです。
ただし、このルールは絶対的なものではなく、文法書によっては「最初の単語の単複によらず複数のものが列挙される場合は there areを使うべき」という見解を示すものもあるようです(参考: ESL Library “There Is/There Are + Nouns in a Series”)。
「parking」はご存知「駐車場」で、不可算名詞です。
「day or night」は「昼か夜か」ではなく「昼夜を問わず」と訳しましょう。
「neighbor」は「隣人」ですが、今現在近くにいる人のことを表すこともあるため、呼びかけの意味をこめて「君」のように訳してもいいでしょう。
昼も夜も広い駐車場がある(利用できる)し、街の人たちはよく「やあ、調子はどうだい!」なんて言っている

それくらい雰囲気のいい街だということですね。
5文目
I’m headin’ on up to South Park, gonna see if I can’t unwind.
引用元のサイトでは「I’m headin’ 〜」となっていますが、「I’m」は曲中で発音されていません。

「headin’ on up」の部分はかなり早口なので聞き取りは難しいですね。。。
- headin’:headingの短縮系
- head on up:〜へ行く
- unwind:くつろぐ
これに関しては説明は不要でしょう。「goin’」と同様に「〜ing」が「〜in’」になったのです。
「go」や「go ahead」のカジュアルな形です。今回のように「head on up to 〜」とすれば「〜へ向かう」という意味になります。

この文は「現在進行形+分詞構文」です。
今回の文も
- I’m headin’ on up to South Park
- gonna see if I can’t unwind
という2つに分けられます。
「サウスパークへ行こう」ですね。ここは簡単です。
「see if I can’t unwind」に注目しましょう。「see if 〜」は「〜かどうかを確かめる」です。
もしかしたら「can’t」に少し違和感を感じる人がいるかもしれませんが、実は
- see if I can’t unwind
- see if I can unwind
はどちらも同じ意味です。この2つのニュアンスの違いをなんとなく理解するために、次の2つの日本語の文を考えてみましょう。
- 君、これできる?
- 君、これできないの?
どちらもできるかどうかを聞いているのですが、2の方は場合によって

え?そんなこともできないの?
というニュアンスで捉えられることもありますよね。この文は英語に直すと
- Can you do it?
- Can’t you do it?
なのですが、「can’t」を使うことで話し手の「まあできるだろう」という暗黙の期待感が表されるのです。
今回の例でもそれは同じで、「(サウスパークが雰囲気の良い街だというのはわかっているから)くつろげないなんてことはないだろう」というニュアンスが含まれているのだと考えられます。
ただし、実際のところネイティブスピーカーにとってもこのニュアンスの違いは難しいようなので、あまり深く考えすぎず「そういうこともある」程度に捉える方が良いでしょう。(参考:WordReference.com “‘redundant’ negative (let’s see if we can’t sort this one out”)
サウスパークへ行ってくつろげないかを確かめよう(くつろぎに行こう、くらいのニュアンス)
6文目
I like girls with big fat titties, I like girls with deep vaginas!
- titty:おっぱい
- vagina:膣
これは日本語の「おっぱい」として捉えるとそのカジュアルさ・スラングさが理解できるでしょう。正式な単語は「breast(胸)」です。
「vagina」自身はスラングではありませんが、その意味するところにより人前で言うのがはばかられる単語です。もちろん医療現場など然るべき場所では特に問題はないものの、それ以外の場では十分に注意が必要な単語です。
下記のリンク先の記事では、「vagina」という単語にまつわる歴史や人々の捉え方がわかりやすくまとめられています。
参考 liveabout.com “Common Slang Words for Vagina”

この文は「完全文, 完全文」のComma Spliceと呼ばれる形になっています。
完全文をカンマ「,」で繋ぐミスです。
通常2つの完全文を繋ぐ際には「and」や「but」などの接続詞を用いる必要がありますが、カジュアルな文章ではカンマ「,」だけで繋いでしまうことが多くあります。文法的には誤りなので学校で習うような文章で目にしたことはあまりないかと思いますが、実際はかなり頻繁に発生するミスなので、この機会に覚えておきましょう。
今回の文は、次の独立した2つの文で構成されています。
- I like girls with big fat titties
- I like girls with deep vaginas
「fat」は「太った」の意ですがここでは「tittes(おっぱい)」の話をしているので前の「big」と合わせて「巨乳」くらいにしておくと良いでしょう。
特に注意すべき点はありませんが、あえて1点挙げるとすると「vaginas」と複数形になっていることでしょうか。
通常1人の女性は膣を1つ持ち、なおかつ複数人の女性が1つの膣を共有するということもないため、ここでは「with a vagina」でもいいと言えるでしょう。
僕は巨乳の女の子が好きだし、膣が深い女の子も好きなんだ!

これまでの文とは何の脈絡もないことから、発言者のケニーは性に対して強い興味を持っていることが伺えますね。
7文目
So come on down to South Park, and meet some friends of mine.
- come on down:おいで
「down」が付いていますが、地理的な位置関係によらず「こっちにおいで」という意味で使われます。

この文は命令文ですね。
- So come on down to South Park
- and meet some friends of mine
難しいところはありませんね。
ここでの「so」はあまり意味を持ちません。「だから」とするよりも「さあ」くらいが適当です。
「some friends of mine」は「some of my friends」としてもいいでしょう。
「my friends」とすると、「友達みんな」といったニュアンスになります。自分の街に人を招いたとしても、友達全員に会わせられるかというとそういうわけではありませんよね。
ここでは「some friends of mine」とすることで、「(何人かはわからないけど)自分の友達に会えるよ」という意味を表しているのです。
さあサウスパークにおいで、僕の友達に会いに来てくれよ
まとめの日本語訳とクイズ

- レス:サウスパークへ行くんだ、楽しい時間を過ごそう
- カイル・スタン:みんなフレンドリーで謙虚なんだ!
- レス:サウスパークへ行くんだ、悩みの種なんておさらばさ
- カートマン:昼も夜も駐車場はあるしみんなは口々に「やあ、調子はどうだい!」ってね!
- レス:サウスパークへ行くんだ、くつろげないか確かめてやる
- ケニー:巨乳の子が好き!膣が深い子が好き!
- レス:さあサウスパークへおいで、友達に会ってくれよ
サウスパークはかなり難しい部類ですが、何回聞いてもいくら解説されても本当にまったくわからない…という方は英会話に対する取り組み方を見直すことも大切です。
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